滅菌対策への思い
〜なぜ私たちは滅菌に力をかけるのか〜
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滅菌パックに入った器具
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当院は患者様ごとに使用する器具を消毒・滅菌しています。このページでは、当院の「滅菌対策」についてお伝えします。滅菌とは、「治療に使用する器具についている微生物やウイルスをすべて死滅・除去すること」を言います。リーマー・ファイル(歯の神経を取る治療をするときに使います)、バーとタービン(歯を削る治療をするときに使います)だけでなく、お口の中に入れる綿やガーゼまで、つまり口の中に入れるものほぼすべてを滅菌しています。
なぜ、私たちは滅菌にそこまで力を入れるのでしょうか? 多くの歯科医院では、ここまでの滅菌対策を行いません。バーやリーマーは滅菌器(熱や蒸気や薬品で滅菌を行う機械)にかけると、5〜6回でだめになりますし、タービンなどは熱に弱いので、壊れやすくなります。また、滅菌作業をするスタッフも必要なので人件費がかかり、滅菌パックのゴミも増えます。しかも、患者様には見えない作業ですし、タービンなどは1本20〜30万円もして、滅菌している間は使えませんから、滅菌対策を行えば院内に必要なタービンの数を増やす必要があります。ですから、多く医院は「そこまでしなくても…」という思いがあるのでしょう。
しかし、私たちはコストがかかっても滅菌対策を行っています。どうしてなのでしょうか?実は、10年前、私は「歯周内科」療法という新しい歯周病の治療法と出会いました。そのとき先生から「完全滅菌にしなさい」と教わったのです。その内容は「バーやタービンを滅菌しないで使いまわすと、患者様から患者様へ歯周病菌が感染してしまう」というものでした。歯周病菌(つまり、バイキン)に対する知識が増えて、恐ろしさを知り、さらに歯茎やお口の中のバイキンを減らして、劇的に歯周病がよくなっていくのを見ると、「もう患者様同士でバイキンを感染させたくない!」という思いが沸き上がってきました。
また、自分が受けたいという治療を考えると、きっちり滅菌している治療を受けたいと思いました。もし滅菌をしていなかったら、ある患者様の治療で使用した器具を少し消毒して、違う患者様に使うことになります。アルコールによる消毒だけでは、どこまで信頼できるかわかりません。滅菌することで初めて、歯周病菌や血液性の病気(エイズ、肝炎など)の院内感染が限りなくゼロに近くなるのです。
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滅菌パックを作っています
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そこで「完全滅菌をしていこう!」と決意したのですが、そこからが大変でした。院内で「滅菌対策を始めよう」と伝えても、当時のスタッフは「やっても意味がありません」「大変そうだからやめましょう」と、ことごとく反対されました。しかし、もう後には引けません。
「どうしても滅菌対策を行いたい」という気持ちが通じ、なんとか当時のスタッフに理解してもらって滅菌対策を始めることができました。しかし、やってみると本当に大変でした。まず、滅菌に使用する袋(「滅菌パック」といいます)は、始めからパック状になっているわけではありません。ロール状になっていて、毎回、必要な長さに1つ1つ切っていきます。
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オートクレーブ(滅菌器の1つ)
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それから、たくさんの水で洗浄して(ちなみに、滅菌・感染対策の基本は大量の水で洗い流すことです)、消毒薬の入った超音波洗浄器にかけて消毒した器具を滅菌パックに1つ1つ入れていきます。そして、滅菌器にかけ、滅菌が終わったら乾燥機に入れます。その後、患者様ごとに滅菌パックに入った器具が用意されて、診療の準備が完了します。
実は、滅菌パックに入れただけで、滅菌機にはかけないパフォーマンスだけの医院もあります。同じ医療を行うものとして悲しいことです。お読みいただいたように、滅菌対策の作業そのものは単調ですが、行うのはハッキリ言って大変です。ですから、当院のようにここまで滅菌対策を行っている歯科医院は少ないのです。
今後も、私たちは「自分だったら受けたい歯科医療」、「本当に患者様の立場になった歯科治療」をこれからも行っていきたいと思っています。このような想いを持った私たちの、「滅菌対策」という裏方の作業を、少しでもご理解いただけたら幸いです。
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